サラリーマンのメリット・デメリットとは

教養

皆さんは日本のサラリーマンの割合をご存知ですか?

総務省統計局の「労働力調査」によると、2020年の就業者6,676万人の内、自営業者は僅か666万人。

つまり、残りの5,973万人(割合にしてなんと89.5%!)は雇われて賃金を得ている者、サラリーマンなんです。

筆者もしっかりサラリーマンなんやで

そんなサラリーマンであることのメリット・デメリットについてまとめていきたいと思います。

この記事のポイント
・サラリーマンであることのメリット/デメリットとは
・サラリーマンであることのメリットを最大限に活かす方法
・脱サラの前に今一度見直しを!

サラリーマンのデメリット

まずはデメリットからご紹介していきたいと思います。

FIRE(アーリーリタイヤ)が流行となっている昨今ですが、なぜ人々はサラリーマンを辞めたいのか。

サラリーマンであることを非常に“デメリット(損)が大きい”と考えているからです。

その中でも特にデメリット(損)と感じているものを4つご紹介させて頂きます。

拘束時間が長い

サラリーマンであることの最大のデメリットはこれです。

サラリーマンの1日の拘束時間は、仕事に関わる準備等の時間を含めれば
10〜13時間にも及びます。

通勤時間が長い首都圏の方や、その日の飲み会の有無によっては更に長くなります。

参考までに、サラリーマンである筆者の一日のスケジュール感は以下のような感じです。

筆者の場合、8:00〜20:00(12時間)が拘束時間にあたるよ…

一日に使える自由時間は大体3時間、残業の有無や飲み会の有無によって少ない時は0時間(全く無い)、多い時は5時間など伸縮します。

副業や資格の勉強など、自己投資に時間を充てたい場合でも、その時間が限られてしまうのが最大のデメリットであることの所以と言えるでしょう。

まとめ
拘束時間が10時間〜13時間(場合によってはもっと長い)と長く、自己投資に使える時間が短い。

理不尽さを許容しなければいけない

会社という組織に属している以上、サラリーマンは一人一人がその組織を構成する歯車です。

歯車であるということは、時に自分にとっては不条理で理不尽なことが起ころうとも、その周囲と連携して円滑に回転する必要があるということであります。

これが自営業である場合は、最悪「関係を切る」「取引をしない」という選択肢を取ることができますが、

会社の一員に過ぎないサラリーマンにはそのような裁量を与えられていないため、グッと自分の中で堪えて消化しなければならない時が必ずあります。

ちなみに、CanCanが実施している理不尽ランキング第1位は“人によって言っていることが変わる”です。

筆者の個人的理不尽ランキング1位は、“他人のミスを自分の責任として受け入れなければならない”です。

まとめ
会社を円滑に回すために理不尽さを許容し、自分の中でグッと堪える必要がある。

勤務場所(居住地)を選べない

サラリーマンの場合、勤務地を選べないケースが非常に多いです。

最近でこそ在宅勤務やテレワークが進んできましたが、日本企業で勤務地を自由に選べるほど制度が進んでいる会社というのはほとんどありません。

やりたい仕事をやりたい会社でする選択を取った場合、その会社の事業所で働くことを強制されるのがサラリーマンです。

さらには全国規模の企業であれば転職もつきものであるため、転勤に伴ってライフプランの変更を余儀なくされることもデメリットと言えます。

筆者の会社でも3~5年で必ずと言っていいほど転勤が発生しますが、正直めっちゃ嫌です。

まとめ
サラリーマンは会社の事業所の近辺に居住地を限定され、時には馴染みのない土地への転勤をしなければならない。

人間関係は選べない

皆さんは大ベストセラー「嫌われる勇気」を読んだことがありますか?

本著によると人の悩みの大半は人間関係に関するものになります。

このようなアンケート結果もあります。

出 典:株式会社ビズヒッツ( https://bizhits.co.jp/ )
調査対象:会社勤務をしている全国の男女
調査人数:1,000人(女性594人/男性396人/未回答10人)
調査期間:2020年10月1日~10月4日
調査方法:インターネットによる任意回答
人間関係の悩みを持つサラリーマンは非常に多いことが分かります。

あなたがサラリーマンである場合、関わり合いを持つ人間関係というのは選ぶことができません。

嫌な飲み会にも行かなければいけない時もあれば、一緒に仕事をしたくない人とも同じチームで仕事しなければならない時もあるでしょう。

こういったしがらみは、サラリーマンである以上必ず付きまといます。

プライベートでは絶対仲良くならない人とも、仲良いフリをするのはストレスです。

まとめ
人間関係を選ぶことができず、嫌いな人とも仕事をしなければいけないのは相当なストレス負荷がかかる。

サラリーマンのデメリットまとめ

いかがでしたでしょうか。きっと皆さんも非常に身に覚えがある内容だったと思います。

デメリットまとめは以下の通りです。

・拘束時間が10時間〜13時間と長く、自己投資に使える時間が短い。

・会社を円滑に回すために理不尽さを許容し、自分の中でグッと堪える必要がある。

・会社の事業所の近辺に居住地を限定され、時には転勤をしなければならない。

・嫌いな人とも仕事をしなければいけないのは相当なストレス負荷がかかる。

サラリーマンのメリット

本記事ではデメリットの他にメリットも紹介していきたいと思います。

実際に働いていると感じることは少ないため、サラリーマンはデメリットばかりが着目されがちですが、実際には負けないぐらいメリットも存在します。

そんな見失いがちなサラリーマンのメリットについて、同じく4つご紹介させて頂きます。

福利厚生を利用できる

サラリーマンが知らず知らずの内に享受しているメリットとして、福利厚生があります。

福利厚生とは、給与以外のサービスの総称であるとされていますが、福利厚生の一部には以下のようなものが挙げられます。

・保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料など)
・住宅補助、社宅制度(家賃補助、寮・借り上げ社宅など)
・慶弔(結婚祝い金など)
・財産形成(確定拠出年金、持株など)
・その他(外勤手当、Yシャツ代、食事補助など)

特に保険料に関しては、従業員であるサラリーマンは企業と負担を分け合うことができますが、自営業の場合は全額負担になってしまいます。

どうしても給与だけを見て「収入少ないよな…」と思ってしまいますが、保険料のように福利厚生で受け取っているメリットには大きいものがあります。

福利厚生が一切なくなると思うと結構きついものがあります。

まとめ
給与以外にも福利厚生によって様々なサービスを享受している。

専門知識(会社が持つ知見)の習得が可能

会社には業務に携わる様々な知見が積み重ねられており、従業員はその知見を自分のものとして吸収することが可能です。

通常、こういった業界の専門的な知識や知見というのは表に出てこず、会社の一員として業務に携わらないと習得することができないものです。

会社に蓄えられた知識・知見を自分のものとして習得するだけで、その人にとって重大な資産となります。

さらに、社内には価値のある研究論文や書籍などが保管してある場合も多く、これらを自分の手で全て一から探すとなると相当な手間と時間がかかります。

専門知識を習得する上で、その業界に従事するサラリーマンというのは非常に有利な立場にあるということが言えます。

普通に調べただけでは手に入らない知見を入手できるのは大きいです。

まとめ
専門的な知見・知識を入手する上では会社に従事することが最も早い。

安定した給与収入と社会的信用の獲得

サラリーマンのメリットとして知覚しやすいものに、安定した収入と社会的信用の獲得というものがあります。

サラリーマンの収入というのは概ね毎月の収入に大きな増減がなく、今後も安定した収益基盤を有することになります。

そして、安定した収益基盤を有するということが「社会的に信用がおける」と判断される材料になります。

事実、サラリーマンであると自営業者と比べて以下のような優遇を受けています。

・ローン購入が通りやすい
・クレジットカードの審査が受かりやすい
・賃貸を簡単に借りることができる

一見普通のことのように感じますが、自営業者の方で社会的信用がないと判断されて、こういった申請が通らないとお悩みの方も多くいらっしゃいます。

安定した収益基盤があるというのは、社会的にそれだけ大きな価値をもっているということになります。

毎月の収入に大きな増減がないと生活の想定が立てやすいのも事実。

まとめ
安定した給与収入が入ってくるということが、社会的信用の獲得に繋がっている。

企業規模でしかなし得ない経験ができる

サラリーマンであることの最大のメリットはこれです。

サラリーマンは会社の資本や取引先を利用し、個人規模ではできない事業に携わることができます。

個人事業主がすぐに売上で1,000億円、経常利益で100億円も出すというのは現実的ではありません。

会社という組織の規模感であるからこそ、与信や支払い能力が評価されて取引ができるという場合も往々にしてあります。

そういった大手企業への提案・プレセンや大きなチームで取り組むプロジェクトへの参加、各部門との連携などはサラリーマンでないと経験できない内容です。

ブロガーやフリーランスとは経験出来る仕事の内容が大きく異なります。

まとめ
会社という組織規模でしかできない業務に携わることで、そこでしか得られない経験を積むことができる。

サラリーマンのメリットまとめ

いかがでしたでしょうか。

デメリットと違って、サラリーマンのメリットとは意識しないと見えてこないものですが、実は様々なメリットを享受しているのです。

メリットのまとめは以下の通りです。

・給与以外にも福利厚生によって様々なサービスを享受している。

・専門的な知見・知識を入手する上では会社に従事することが最も早い。

・安定した給与収入が入ってくることが、社会的信用の獲得に繋がっている。

・会社という組織規模でしかできない業務に携わることで、そこでしか得られない経験を積むことができる。

サラリーマンのメリットを最大限に活かす方法

さて、サラリーマンのデメリットとメリットの両方をご紹介しました。

世の中のおよそ9割はサラリーマンになるわけですが、出来ることならサラリーマンを辞めたいという人の圧倒的に多いハズ。

しかし、実際にはサラリーマンのメリットを感じているからこそ、辞めるという決断ができずにサラリーマンのままでいるという選択を取ってしまうという人が大半です。

本項ではサラリーマンのメリットを最大限に活用するためのヒントを伝授致します。

社内制度を充分に活用する

福利厚生には社内研修制度や通信教育、資格取得補助などがある会社も多いです。

これらを一般販売のサービスとして購入したり、個人で資格試験を受ける場合、普通に数万円のお金がかかります。

自己投資にかかる数万円のお金を会社が負担してくれるわけですから、これほど得なことはありません。

通信教育など、強制ではなく自分で選んで受けることができるという場合は、必ず何かの通信教育を受けた方が良いです。

身につけた知識はどんどん自分の中に蓄積され、個人の資産として自らの市場価値を高めてくれます。

実際面倒くさいけど、やった方が長い目で見たら圧倒的に得です。

まとめ
自己投資にかかる費用はとても高いが、それを全額(もしくは一部)会社が負担してくれるのだがら、積極的に利用していくべし。

上手くサボろう

安定した収益基盤がある代わりに、(全て成果給などではない限り)恐らく会社内の同年代の給与には大きな差が出ていないと思います。

恐らく昇給額にも規定があり、年度ごとの評価で多少は変わるものの実態はほとんど年功序列…みたいな会社がほとんどなんです。

つまり、ある一定の成果(ノルマ)さえ出せていれば、頑張っても頑張らなくても給与にほとんど差は出ません。

語弊を恐れずに言いますが、だからこそサラリーマンは上手くサボらなければいけないんです。

必要以上に成果を出すことにこだわるのではなく、少しでも仕事に従事する時間を減らして自分の自由時間を確保することが重要なんです。

そのように確保した時間で、安定した収入を得ながら資格の勉強や副業などを行えればベストです。

残業や不必要な飲み会などは短ければ短い方が良いです。

まとめ
ある一定の成果させ出してしまえば、残りの時間は自分への自己投資の時間を確保した方が得をする。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

今回はサラリーマンのメリット・デメリットと、メリットを有効活用する思考方法をご紹介しました。

「俺は絶対にFIREするぞ―!」という思考になってしまうと極端に視野が狭くなってサラリーマンであることのデメリット部分ばかり見てしまいますが、一度冷静になってメリットと天秤にかけてみてはいかがでしょうか。

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