あなたはご自身の意思決定を、全て自分の自由意志で行っていると自信を持って言えますか?
こんな事を聞くと9割の人は何を当たり前のことを、なんてお思いになられるかもしれませんね。
そんな9割の人に本記事を是非読んでほしいと思っております。
そして記事を最後まで読んで頂けた方は、きっとこれまでと見方が変わっているはずです。
認知バイアスについて詳しく書いている書籍はこちらになりますので、気になる方は是非。
認知バイアスとは
認知バイアスってなに?
バイアスや認知バイアスって何となく聞いたことあるけど、どういう言葉でどのような意味を持っているのか、何となくしか知らないという人は多いのではないでしょうか?
ちなみに認知バイアスについて、Wikipediaでは以下のように記載されています。
認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題である。転じて認知バイアスは、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪める。
Wikipediaより引用「https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9」
もう少し噛み砕いていくと、bias(バイアス)とは「偏り」あるいは「歪み」を表す単語で、認知バイアスとは偏見や先入観、一方的な思い込みや誤解などを幅広く指す言葉として使用されています。
認知バイアスは数え切れないほど存在する
認知バイアスがどのようなものか理解されたかと思いますが、あなたはそんな思い込みや勘違いなんて自分はしていないし…って思ったのではないですか?
それは大きな誤解です。
あなたがこれ良いな、可愛いなって思ったものは本当にあなた自信がそう思ったんですか?
転職を考えた時に色々考えた末に結局現状が一番だしな、って思ったことありませんか?
これらは日常でよく起こる認知バイアスの一例です。
上記以外にも、数え切れないほどの認知バイアスが日常に潜んでいるのです。
あなたの意思決定はもしかしたら認知バイアスによって支配されているのかも?!
認知バイアスを回避することはできない?!
前述した通り、認知バイアスは日常の至る所にあります。
もし仮に認知バイアスの全てを学んだとしても、その全てを回避することは不可能です。
なぜなら人間の脳はどうしてもバイアスにかかってしまうように作られているからです。
認知バイアスについて、先入観や偏見によって思い込みを起こしてしまうものだと冒頭で説明しましたが、一方で以下のような主張がなされる場合があります。
デビッド・ファンダーとヨアキム・クルーガーは、バイアスと呼ばれるものの一部は「近似ショートカット」であり、情報が不足しているときに人間が物事を予測することを助けるものだと主張している
Wikipediaより引用「https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9」
先入観とは自身の知識や経験に基づく予測であり、認知バイアスとは、情報が不足している状態において自身の知識や経験則から正解の可能性が高い選択肢を選ぼうとしていることというように考えることもできます。
つまり、認知バイアスとは人間の脳により負担をかけずにより効率的に判断基準を設ける手段であるため、人間は無意識にこのような思い込みを起こしてしまうのです。
認知バイアスを全て避けることは不可能なので、その使い方を知ろう
日常や身近に潜む、認知バイアスの実例8選
ここでは数ある認知バイアスの中でも、日常で良く起こる厳選した8つをご紹介させて頂きます。
この記事を読んでいるあなたにも、きっと思い当たる内容があるはずです。
前述の通り認知バイアスは全てを回避することはできませんが、どのようなものがあるかを理解してなるべく思い込みに惑わされないようにするにすることが大切です。
チェリー・ピッキング/確証バイアス
これは端的に言うと、人は見たいものだけを見て、見たくないものは無意識に除外しているという傾向のことです。
議論を行う際に自分の都合の良い証拠だけを提示し、不都合な証拠を無視して進める方法をチェリー・ピッキングと言います。
これを無意識にやってしまう傾向にある人もいれば、あえて意図的にやることで話の説得力をもたせようとする人もいます。
一方で、自分の考えや思いが「正しいものである」と思い込みたいが故にそれを正しいとする内容や証拠となる情報を集めてしまい、考えを否定してしまう事に繋がるような不都合な情報を無視してしまう傾向を確証バイアスと言います。
判断を行う際にはその情報が自分にとって良い面だけを捉えたものでないか、もしかしたら悪い面を全く考えていないのではないか、と一度立ち止まって考える必要があります。
知覚的流暢性誤帰属説
あなたはこのキャラクター可愛い!って思ったものの、それを友人に話したらどこが!?なんて言われた経験ありませんか?
もしかしたらそれは知覚的流暢性誤帰属によってバイアスがかかった状態であるかもしれません。
人間は、以前見たことがある対象に対して、よりスムーズに(好意的に)知覚する傾向があります。
そしてこれは以前見ていたことを例え忘れていたとしても、効果があるものになります。
あなたはどこかで(TVやSNSなど)そのキャラクターを目にしていたからそのキャラクターをすぐ好意的に捉えたが、初めてそのキャラクターを目にした友人たちは好意的に知覚をするまで時間がかかったのでしょう。
このバイアスの恐ろしいところは、無自覚に取り込んだ情報があなた自身の嗜好や意思決定に影響を及ぼしているかもしれない、ということです。
単純接触効果
あなたが仕事で営業をしていたとしたら、上司から重要な顧客には用がなくても訪問しろ!なんて言われていることでしょう。
用もないのに行ってもしょうがないだろ…なんて思うかもしれませんが、実は訪問する事だけにさえ意味があります。上司がそれを理解して指示しているか別ですが。
接触する回数を増やせば増やすほど、その人に対する好意が少しづつ増していく現象を単純接触効果と言います。
初対面の時よりも2回目、2回目よりも3回目に会った時の方がその人の情報(名前や容姿、年齢、趣味や特技などの個人情報)を楽に知覚することができます。
※初対面だとせいぜい覚えられても顔と名前ぐらいだと思います。
この、回数を重ねる毎に認知しやすくなることをその人に対する好意だと勘違いしてしまうことが単純接触効果の原因だと言われています。
単純接触効果は仕事などでも用いられる認知バイアスですが、あなたの意中の人、想い人にも単純接触効果を上手く使えば成就させることができるかも?!
心理的リアクタンス
自分が自由に選択を取ることができる際に大きな障害や脅迫(禁止)などがあった場合、その自由を回復しようとしてあえて妨げられた選択を取ろうとることを心理的リアクタンスと言います。
誰しもが一度はこんな話を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
人に化けた鶴から絶対に見ちゃダメですよ、と言われたにも関わらずお爺さんは見てしまったり、
ゲームばっかりやってないで勉強しなさいよ!!って言われて逆に勉強のやる気がなくなったり、
押すなよ!押すなよ!!!と言われる芸人さんが必ず押してしまうように(これは違う)
ダメって言われると逆にやりたくなっちゃうのも実は認知バイアスなんです。
難攻不落な高嶺の花に対する恋は、実は障害が高いほどに燃え上がってしまう心理的リアクタンスの現象であり、本当の好意ではないのかも?
おっと、こんな事言うのは野暮でしたかね・・・
現状維持バイアス/保有効果
これはもしかしたら日本人により顕著な認知バイアスかもしれません。
これは保有効果(人間は一度何かを手にすると、それの価値を手にする前よりも高いものであると感じ、手放す際に抵抗する現象)と呼ばれる認知バイアスと近似したものです。
人間は何かを失うことを避けようとする意識を無自覚に持ち、失うことで損してしまうことを常に危惧してしまいます。
そのため、一般的に何か行動を起こす際、その行動によって得るもの(利得)がその行動によって失われるもの(損失)の1.5倍〜2.5倍になって、ようやく釣り合いが取れるものだと認識してしまいます。
人間は、メリット(利得)よりもデメリット(損失)を重視する生き物なんです。
この損失を危惧してしまうあまり、行動を起こす必要性を感じずに現状維持を行ってしまうことを現状維持バイアスと言います。
例えばあなたがもし営業職で、他社製品を使用している顧客に対して自社製品の切り替えを進める場合、この現状維持バイアスが働いていることを意識する必要があるかもしれません。
フォルス・メモリ
実はあなたの記憶はどんどん改竄されていってるとお伝えしたら驚きますか?
ただ思い当たる節があるのではないでしょうか。
過去の恋人との恋愛を美化してものすごく良いものだと思っていませんか?
過去の旅行先で見た景色をものすごく雄大なものであったと思っていませんか?
記憶というものは実際に起きた出来事通りに記録されているわけではなく、新たに得た情報から干渉を受け、補足され再構築されていくものだと言われています。
このように、実際に経験したものではない記憶を、さも経験したように感じる現象をフォルス・メモリと言います。
他人と言った言わない論争になるのも、このフォルス・メモリが原因になっているのかもしれません。
特に情報が溢れに溢れた現代だからこそ、その情報によって自身の記憶に影響を与えている可能性を顧慮する必要性があるように感じます。
バンドワゴン効果
あなたが何かを買う時、本当にそれを自分の意思で欲しがって買ったと言えますか?
みんなが持ってるから…、人気商品だから…、在庫があと少ししかないから…
そんな理由で買うものを選んだ経験があるんじゃありませんか?
このように、周囲が良いと思っているものを購買しようとしてしまう、つまり周囲の行動に同調してしまう現象をバンドワゴン効果と言います。
これはつまり、他者による保証がついた状態であると認識してしまい、他者が保証するものであれば失敗しないだろうという考えから無意識に同調してしまうことが原因となります。
バンドワゴン効果は販売のマーケティングでもよく使われる手法ですので(最近だと販売してすぐに売れ行き好調などを理由に製造休止をする品薄商法など)、このような手法に惑わされないためにも本当に自分自身がそれを欲しがっているのか考えてみましょう。
ダニング=クルーガー効果
新入社員として入社した後1~2年ぐらい経つと、自分は何でもできるような、仕事ができてきているような感覚包まれることがあります。
しかし、これは自分がしている仕事だけに注視してしまい、本当はもっと上位の仕事内容があってそれを行っている人がいるにも関わらず、それを認知するだけの知識がないだけのことなのです。
この、知識不足から自分の能力を過大評価してしまうことを、ダニング=クルーガー効果と言います。
仕事にどんどん慣れ、その領域に対する知識が増えてくると「あ、自分が出来ないことってまだまだ沢山あるな」というように自分の能力不足を認知していくものです。
自分の能力不足を早い段階から認知することはプライドなんかも相まって難しいことですが、
それを自覚してより沢山のことを吸収しようという素直さがある人がどんどん伸びていくんじゃないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
繰り返しになりますが、日常には認知バイアスが溢れていて人は思いもよらないところでその影響を受けています。
そして厄介なことにその認知バイアスは完全に回避することは不可能です。
それでも、どのような認知バイアスがあるかという理解を深めることで、誤った判断をしてしまう可能性を少しでも減らすことができます。
皆さんも注意深くご自身の意思決定について考えてみて下さいね。
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