皆さんは「果糖ぶどう糖液糖」や「ぶどう糖果糖液糖」という言葉を聞いたことはありますか?
最近は食品の原材料をご覧になる方も増えましたので、見たことがある人も多いでしょう。
果糖ぶどう糖液糖は幅広い食品や飲料に使用されている、食品原材料の一つです。
でもそんなの日常生活で聞いたことがないし、
ネットで調べたら添加物で危険っていう情報も…。
それってほんとなの?
果糖ぶどう糖液糖は決して危険なものではないよ!
食品メーカー勤務の僕が正しい情報を教えるね!
・果糖ぶどう糖液糖は清涼飲料水や調味料など幅広いものに使われている
・果糖ぶどう糖液糖は食品で安全性が高い
果糖ぶどう糖液糖とは
果糖ぶどう糖は砂糖の代替品
「果糖ぶどう糖液糖」は、「ぶどう糖果糖液糖」や「異性化糖」とも呼ばれます。
その実態は読んで字の如く、「ぶどう糖」と「果糖」が混在した糖です。
そして、そのある物とは砂糖。実は砂糖は「ぶどう糖」と「果糖」が結合した二糖類です。
果糖ぶどう糖液糖は砂糖の代替品として需要を伸ばし、
今では砂糖の使用量と同じくらい使われているよ!
果糖ぶどう糖液糖の原料・製造方法
果糖ぶどう糖液糖の原料は、サツマイモやじゃがいも、とうもろこし等の植物からとれるでん粉です。
でん粉は、ぶどう糖が鎖状に繋がった多糖類です。
このでん粉にアミラーゼなどの酵素を反応させる事で、最終的にぶどう糖まで完全に分解されます。
そうするとぶどう糖だけで構成されるぶどう糖液が製造されるわけですが、そこにさらに特殊な酵素を反応させることで、ぶどう糖液中のぶどう糖の一部が果糖に変化します。
この変化する工程を「異性化」と呼ぶので、果糖ぶどう糖液糖は異性化糖とも呼ばれるのです。
※この「ぶどう糖を果糖に変化させる割合」を変化させることで、果糖とぶどう糖の割合を変えることができ、割合によって次のように表記が変わります。
・ぶどう糖が半分以上ある場合=ぶどう糖果糖液糖
食品の原材料では割合が多い順に書かなければいけないルールがあるよ!
果糖ぶどう糖液糖は何に使われている?
先に述べたように、果糖ぶどう糖液糖は砂糖の安価な代替品として開発された甘味料です。
つまり、砂糖が使用される製品には果糖ぶどう糖液糖が使用可能なのです。
これだけで、いかに果糖ぶどう糖液糖が幅広い食品や飲料に使用されていることが分かるかと思います。
果糖ぶどう糖液糖が主に使われている製品
果糖ぶどう糖液糖の用途別販売量は次のようになっています。
2位:乳清飲料
3位:酒類
4位:調味料
5位:パン類
かなり色々なジャンルに使用されているのが分かりますね。
使用する目的は砂糖と同じく、甘味づけです。
果糖は温度が低いと甘さが上がる性質があるので、チルド帯や冷凍で流通する飲料や冷菓(アイス)などでより多く使われています。
さらに、果糖ぶどう糖液糖の甘さの質は砂糖よりもスッキリしており後に引かないとも言われていますので、尚更そういったジャンルとは相性が良いのです。
果糖ぶどう糖液糖は危険?食品添加物?
まず始めに、果糖ぶどう糖液糖は食品添加物ではなく食品です。
インターネットには果糖ぶどう糖液糖を食品添加物と記載しているサイトがありますが、それは大きな間違いで正しくは食品だよ!
砂糖や塩、小麦粉と同じように食品であり身体に害のあるものではないんです。
しかし、果糖ぶどう糖液糖も糖になるので、摂取し過ぎると弊害があります。
次項でそれをご紹介致します。
果糖ぶどう糖液糖を摂取し過ぎるとどうなる?
日常生活で通常の食事に含まれている程度の果糖ぶどう糖液糖を摂取しても、大きな問題にはなりません。
しかし、摂りすぎには注意が必要です。
ぶどう糖、もしくは果糖を摂取し過ぎることによって以下のような弊害が考えられます。
・肥満
・中性脂肪の増加
…etc
ぶどう糖も果糖も単糖であり、それ以上分解の必要がないため体内に素早く吸収されてしまいます。
エネルギー源として優秀な側面もありますが、その反面摂取し過ぎると急激な血糖値の上昇なども招いてしまう要因にもなりますので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
果糖ぶどう糖液糖(ぶどう糖果糖液糖・異性化糖)については、単純に危険なもの(もしくは添加物)で絶対に摂取してはいけない!としているサイトも数多くありますが、それは間違いです。
間違った情報に踊らされないよう、気をつけなければなりません。
但し、果糖ぶどう糖液糖は様々な製品に使われておりますので、摂取のし過ぎには注意して下さい。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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