突然ですが、カフェとか喫茶店っていいですよね。
コーヒーの匂い、ゆったりとしたBGMが生み出す独特の雰囲気、中にはキャンドルやランタンなんかが置いてあるお店もあり、とてもリラックスできて筆者は大好きです。
最近は空前のカフェブームと言っても良いぐらいで、新しいお店でカフェラテのホットを頼めばラテアートをしてくれるお店も増えてきたように感じます。
筆者も老舗カフェで4年間勤務した経験があり、バリスタとしてコーヒーを淹れておりました。
家庭用のエスプレッソマシン(コーヒーメーカー)もだいぶ普及して自宅でコーヒーを楽しむ方も増えてるようなので、今回は家庭でもラテアートにチャレンジしたい方向けに、そのやり方を伝授したいと思います。
ラテアートの種類について
皆さんがイメージするラテアートってどんなものですか?ハート?リーフ?それとも可愛く描かれた犬や猫?実はそれぞれ違いがあります。
ラテアートの種類は以下の2つに大別されます。
※より詳しくご説明されてるサイトもありますので、もっと知りたい方はネットで検索してみて下さい。
フリーポア
ハートやリーフなどに代表されるような、ミルクを注ぐ勢いと対流を利用して描くタイプのラテアートです。
後から手を加えることがないので、ミルクを注ぐ動作だけで完結されることが特徴です。
エッチング
例えばイヌやネコ、クマ、あるいは人の似顔絵など、ミルクを注いだ後にピックなどを用いて自分の手で絵を描くタイプのラテアートです。
フリーポアとは違い後から手を加える必要があるため、ミルクを注ぐことで絵を書く下地(キャンパス)を作っているのが特徴です。
初心者はどっちから練習するべき?
筆者の体験談からこれには明確な順序があり、まず間違いなく練習するべきなのはハートのフリーポアです。
フリーポアの中でもハートは基本中の基本とされ、ハートを描く過程できれいな下地を作ることも学べますので、基本的にハートさえちゃんと描けるようになれば可愛いイヌやネコを描くことが可能です。
それでは次項からラテアートのやり方について解説していきます。
ラテアートに必要な物
まずは以下の物を準備しましょう。
1.スチーム機能付きのエスプレッソマシン(コーヒーメーカー)
2.コーヒー豆
3.牛乳
4.ピッチャー
5.エッチングをする場合はピック(爪楊枝でも描けます)
6.マグカップ
ラテアートにおすすめのコーヒー豆とは?
コーヒーは原料となるコーヒー豆で味や風味が大きく変わります。
世界に何種類とある豆ごとで様々な味を楽しめるのもコーヒーの良さの一つですが、カフェラテ向きのコーヒー豆の焙煎方法と挽き方があります。
それは焙煎度はやや深めの極細挽きになります。
この豆を使うことで、程よい苦味があり濃厚なカフェラテに適したエスプレッソとなります。
筆者オススメのコーヒー豆はコチラ。
ラテアートに適した牛乳とは?
簡単です。乳脂肪分が3.5%以上付近のものを選びましょう。
乳脂肪分が3.5%以上のものを選ぶ理由は二つ。
①味 ②ミルクスチームの際泡が安定する
甘味、苦味、うま味、塩味、酸味という最も基本的な五つの味に加え、近年では六番目の基本味として脂肪酸が与える味に注目されています。
乳脂肪分が3.5%程度あった方がカフェラテにとっては相性の良い風味になると言われています。
また、初心者の方にとって最も難しいのは後述するミルクスチームです。
よりきめ細かい泡を作り、安定させるためには乳脂肪分が含まれた牛乳の方が良いので、
無脂肪牛乳は低脂肪牛乳などはできるだけ避けた方が無難です。
※無脂肪牛乳や低脂肪牛乳でもできなくはないです。
なお、ミルクの量は使うカップの容量に合わせましょう。大体160ml〜180mlぐらいです。
どんなピッチャーを選べば良い?
ピッチャーには様々な形状の物(注ぎ口が大きい物や、取っ手がない代わりに耐熱ゴムが巻いてるものなど)がありますが、初心者の方は取っ手付きでそこまで口が大きくない物を準備しましょう。
筆者が使用しているピッチャーはコチラ。
マグカップの適正な大きさは?
マグカップは普通のお店で出てくるようなカフェラテの場合、大体6oz~8ozぐらいです。
大きさが合っていれば正直何でも良いです。
ミルクスチーム(温め方)について
最初にお伝え致します。
ラテアートの出来を左右するのは何と言ってもこのミルクスチームです。
ラテアートにおける命とさえ言えます。
この段階でラテアートの出来が8割決まると言っても過言ではありません!
ミルクスチームの目的
カフェラテというのはエスプレッソとミルク(液体)とミルク(泡)の三つで構成されています。
温かい飲み物ですから、スチームをする目的の一つは当然液体の温度を高める(温める)ことですが、
最大の目的はスチームすることによってきめ細かい泡を作り出すことです。
きめ細かい泡を作り出すことで、口当たりがよく美味しいカフェラテに仕上がるのと同時に、泡の部分でアートを描いていくことが可能になります。
きめ細かい泡を作るミルクスチームのやり方とコツ
まず、スチームの手順としては以下になります。
①ノズルを液面の中に入れ、蒸気を噴射する
②直後にノズルを液面スレスレまで上げ、空気を取り込む(泡を作る)
③再度ノズルを液面まで下げ、対流を作ることでミルクと泡を撹拌し、泡をきめ細かいものにすると同時にミルクの温度を上げる
ちなみに、ノズルを入れる位置はピッチャーを上から見て十字形に四分割した時の右上あたりが適切だと言われており、この位置が最も対流を作りやすくなっています。
スチーム時に出る蒸気でミルクが温められますが、その際に空気を一緒に取り込むことで泡が発生します。
この時にノズルを上げすぎる(空気側との接面を増やす)と取り込む空気が多すぎてしまい気泡が大きくなり、最終的に泡の量が多すぎてしまいます。
なので大切なのはノズルを上げすぎないこと。
液面と空気のギリギリを探り、細かい気泡が入っていくイメージ。注意すべきは音です。
細かい気泡が入っていく時は「チリチリチリ…」という音がします。
そしてこの空気を取り込む時間というのは適正な取り込み方ができていればそんなに長くやる必要はないです。使用しているマシンのスチーム噴出力にもよりますが、体感では1〜2秒です。
そして空気を取り込んだ後は再度ノズルを下げて対流を作っていく作業です。
この対流を作ってミルクを回していくことで、空気と一緒に取り込んだことでミルクの中にある気泡が潰れ、きめ細かい泡となっていきます。
この時に大切なことはとにかくピッチャーを固定させて動かさない事。
ピッチャーが動くことで液面が上下し、新しく気泡が入ってしまう場合があります。
そうするとミルクの温度が定められた所に達したとしても、新しく入った気泡は潰れきれずに粗い泡となって残ってしまうことになります。
なのでとにかく無心でピッチャーを固定して、気泡が潰れるのとミルクの温度が上昇するのを待ちます。
ミルクの温度を上げ終わったらスチームを止め、ノズルをゆっくりと上げてミルクから外します。
これできめ細かく口当たりが良い泡の出来上がりです!!
スチームの練習方法
スチームのやり方とコツを説明しましたが、はっきり言って最初からこれをできる人なんていません。
何回も失敗を積み重ねて人は成長するものです。
ただミルクって実はそんなに安くないんですよね。練習したいけどミルクでやって失敗したら勿体ない…。そんな人にとっておきの練習方法があります。
それは水と洗剤されあれば可能です。
いつもミルクを入れているのと同じ量の水をピッチャーに入れ、その中に洗剤を少しだけ入れます。
その状態でスチームをすると、なんと不思議!!ミルクでできる泡と洗剤でできる泡が酷似していて、ミルクでスチームをしたものとかなり似た状態になります。
初心者の方は、まずは水と洗剤でスチームをしてみて、きめ細かい泡が作れるかどうか確認してみましょう。
ミルクの注ぎ方について
注ぎ方の手順は以下になります。
①エスプレッソが入ったカップに、注ぎ口を少し高い位置(4〜5cm程度)にしてスチームドミルクを注ぐ
②液面がカップの半分程度まで上昇してきたら、注ぎ口をできるだけカップに近づけて注ぐ(注ぎ口を近づけることで泡の白い部分が浮かび上がる)
③フリーポアであれば目的の形に合わせてピッチャーを動かして形を作っていく
エッチングであれば泡を浮かび上がらせた後はピックや爪楊枝などで絵を描く
序盤は高くから、中盤以降はできるだけ近くから
注ぎ口を近くにすると泡が液面の上にすぐ出てきてしまいますので、全て真っ白なカフェラテになってしまいます。
ラテアートはクレマ(エスプレッソ)とミルクのコントラストがはっきりとしていればしているほど美しくなるので、適度なタイミングでミルクを浮かし始めることが大切です。
ですので、液面が半分ぐらいになるまでは、注ぎ口は高いところから入れます。
そして、この時もう一つ重要なのが注ぐ強さです。勢いよく淹れすぎたり、逆に勢いが弱すぎると上手にできませんので、適切な一定の勢いで淹れることが大切です。
ハートのラテアートの作り方
カップに近づけてミルクを注ぎ始めると泡が浮き始めます。
そうすると徐々にミルクが円形を描き始め、その円が大きくなってきます。
そして綺麗な円になった時に、再度カップからピッチャーを離してハートの切っ先をつくるイメージで円を縦断する形でミルクを切り、ハートの完成です!
言葉だと分かりづらいので、以下の図をご参考下さい。
注ぎ位置でハートの大きさが変わる?!
ちょっと慣れ始めると、ハートも形をができるようになってきます。
この時に初心者の方が悩みがちなのは、ハートが小さすぎたり大きすぎたりで形が安定しないことです。
実は注ぐ位置によって出来るハートの大きさが変わるため、ご自身のハートの傾向を踏まえて是非注ぎ位置を変えることも意識してみて下さい。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ラテアートは淹れれば淹れるだけ、どんどん上達していきます。
そして上達すればどんどん綺麗なラテアートを描けるようになり、もっと上手になりたいという意欲が湧いてくるものです。
使用しているマシンや器具によってもそれぞれコツが若干異なることもあるので、とにかく練習あるのみ!
試行錯誤を繰り返しながら上手くなっていって下さいね。
皆さんのラテアート向上の一助になれますように。
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